複業と副業の違い・始め方と働き方
2021/10/26
同じ読み方である「複業」と「副業」は、どのような違いがあるでしょうか?
複業を始めるには、何からしたら良いでしょうか?
副業よりも稼げる複業の働き方の実例と、始め方、注意点についてお伝えいたします。
Contents
複業とは?副業との違い
「複業」と「副業」は次のような違いがあります。
- 複業とは、複数の本業をすること。
- 副業とは、メインの本業とサブのお仕事があること。
また、複業はパラレルワークやパラレルキャリア、兼業ともいわれることがあります。
複業の1週間
例えば、次のような日程でお仕事をしているのなら複業といえます。
月曜日:A会社で勤務
火曜日:B会社から請け負った仕事(フリーランス)
水曜日:A会社で勤務
木曜日:A会社で勤務
金曜日:B会社から請け負った仕事(フリーランス)
土曜日:B会社から請け負った仕事(フリーランス)
日曜日:お休み
平日は会社勤務で週末だけ別のお仕事をする場合は副業とされる場合が多いです。
厳密な区分はない
実際には、副業と複業は明確に分かれているわけではありません。
一般的には、2つ以上の事業で同じ程度の収益を上げられるのが複業としています。
副業は片手間でできるお仕事、空き時間にするお仕事とされてます。
しかし、顧客からすると副業・本業の区別はしません。副業であっても責任のある対応が求められるのは当然のことです。
ご自身の中で「副業」とするのか「複業」とするのかの違いでしかないと考えても間違いではありません。
複業のパターンと事例
複業のパターンには大きく3つに分けられます。
・会社勤務+フリーランス(自営業)
・フリーランス(自営業)+フリーランス(自営業)
・会社勤務+会社勤務
ただし、トリプルワークも可能ですので、複業のパターンは非常に多くなります。
会社勤務+フリーランス(自営業)で兼業
例えば、平日の昼間は会社で働き、自宅に帰ってから1時間ほどフリーランスのお仕事をし、週末はフリーランスのお仕事をするというような働き方です。
また、会社に勤めながら農業をする(兼業農家)も複業に該当します。
厚労省が2018年1月にモデル就業規則を改訂し、副業や兼業がしやすい規定となったこともあり、様々な働き方が誕生しています。
会社が副業OKとしているのであれば、やってみる価値がある働き方です。
収入が増える一方、休みが取れないなどのデメリットもありますので、ご注意ください。
フリーランス+フリーランスでリスクヘッジ
例えば、ライターとして仕事を受注しながら、業務委託でコンサルティングをするような働き方です。
フリーランスである個人をひとつの会社にたとえると、2つ以上の部門があるようなイメージが近いです。
自営業の方がリスクヘッジのために行っている働き方とも捉えることができ、社会情勢の変化などで一方のお仕事が上手く回らなくなったとしても、別のお仕事でカバーをすることができます。
実際、2020年のコロナ禍で片方の事業にダメージがあったものの、他の事業も行っていたから何とか立ち直れた、助かったというケースがあります。
リスクヘッジをするのなら、業種業態が離れていた方がよく「ライター」と「農業」、「コンサルタント」と「店舗経営」などの事例があります。
会社(法人)勤務+会社(法人)勤務
一般的な会社員の方にはイメージしにくいかもしれませんが、次のような実例があります。
・臨床心理系の大学教授が、街中の心理相談室でも仕事をする。
・高校の非常勤講師が、塾や予備校でも非常勤講師をする。
・スクールカウンセラーが、病院でも働く。(学校と病院の兼業)
・会社役員が子会社の社長も兼務する。
・医師や看護師がA病院とB病院で働く。
2つ以上の法人で働くことは難しそうに思えますが、意外と事例が多いです。
在宅勤務OKの今、複業は地方も都会も関係ない
兼業農家も複業のひとつですし、在宅ワークでお打ち合わせの会議はもちろん、面接でさえリモートで実施している企業もありますから、複業に地方も都会も関係ありません。
場所よりも何と何を組み合わせ、複業とするのかがポイントといえます。
複業の始め方
大きく2つの始め方が複業にあります。
おすすめは副業として始めて、徐々に拡大し複業にしていく道筋です。
もちろん、最初から複業にすることを念頭において行動し、なるべく早く本業と同じレベルの収入が得られるようにしましょう。
資格やスキルを使って副業から始める
既にお持ちのスキルや資格を使って、まずは副業から始める方法です。
リスクヘッジはある程度の範囲しかできません(業種全体がダメになったらリスクヘッジにならない)が、成功しやすい、本業と同じレベルで稼げるまでの期間が短くて済むなどのメリットがあります。
スキルを学び副業から始める
今まで働いたことのない別業種に副業としてチャレンジする方法です。
将来的なリスクヘッジはできますが、成功までの道のりが厳しいかもしれません。
また、スキルを学ぶために投資をする必要があるので、資金計画が重要です。
新たなスキルが得られますし、本業を続けながら始めるため、起業のリスクは少ないといえます。
副業・兼業NGなら、複業転職という方法も
会社や組織によっては、副業・兼業をNGとしています。
副業解禁の流れですが、なかなか変わらない企業は変わらないでしょう。
そこで、考えられるのが複業転職です。
複業転職の方法として「フリーランスになる」「副業OKな会社に転職する」があります。
会社を辞めてフリーランス(自営業)になるのは、リスクが高いのでおすすめできません。
収入を上げたいから複業をしたいのに、収入が減ってしまったら、元も子もないからです。
年齢やスキルなどを考える必要がありますが、複業OKの求人を探し転職してから、複業にチャレンジしていくのが無難です。
始める前に撤退条件を決めておくことが重要
複業、副業、本業に限らず、自営業(個人事業主)として事業を行うのであれば、どのような状態であるのなら撤退するのか、始める前に決めておく必要があります。
人は「今」を基準と判断し「結果的に損をしたくない」と考えます。損が発生しているのに、手放すことを嫌がり、後回しにした結果、損失が膨らんでしまうのです。
もちろん、損失が発生しても頑張って、最終的には利益を得られることもありますが、少数派でありかなり難しいのが実情です。
パラレルワークやトリプルワークも可能
パラレルキャリアを作れるメリットも複業にはあります。
例えば、年金を貰えたとしても少額で生活できないと思うから、老後も続けられる職を複業として始めることも可能です。
また、3つの働き方(トリプルワーク)も不可能ではありません。
慣れるまでは、頭や気分の切り替えが難しいですが、一つのお仕事に詰まったときに、別のお仕事をして、気分転換することも可能になります。
複業のすすめ
複業は慣れるまでは大変ですが慣れてしまうと、別に何の問題もないと感じる方がほとんどです。確定申告なども少し面倒ですが、慣れてしまえば大丈夫です。
リスクヘッジもできて、スキル、収入もアップする複業にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
二兎を追う者は一兎をも得ずにならないように注意し、一石二鳥・一挙両得になるようにしていきましょう。