40代で転職より起業をおすすめする本当の理由
2021/8/25
「40代の起業は遅い」「40代で転職は厳しい」とネガティブな声が聞こえてきそうですが、実際には違います。40代は起業のベストタイミングで成功しやすい年代でもあるため、転職を選ぶか起業するか、今後の人生が決まる重大な局面なのです。
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大企業でも将来の雇用は保証されない
昭和時代の日本は護送船団方式と呼ばれた金融行政の影響もあり、大企業は倒産しないという伝説のような信念がありました。しかし、時代が進むにつれて国際競争が激しくなり、大企業や銀行が倒産してしまったニュースを耳にした方も多いはずです。
業界で考えていくと、衣料品や靴などのファッションへの支出金額が年々減少し1990年から半減しているアパレル業界は、かなり厳しい状態か好調であるかの2極化が進んでいます。また、小売業、特に百貨店は売上が1990年代より減少しており、地方百貨店が倒産していることを考えても先行きは厳しいため、将来の雇用はまったくわかりません。ショッピングモール(ショッピングセンター)も浮き沈みがあり、油断はできません。
また、コロナ禍となった2020年は上場企業のおよそ100社が希望退職者を募るなど、リストラの嵐が吹き荒れています。黒字企業であっても整理解雇の危険が迫っているのが現実です。いつリストラされても大丈夫なように転職や起業の準備を進めておくことが大切になってきたといえるでしょう。
40代転職を成功させる必要条件
40代で転職を成功させる最低必要条件としてスキルがあります。
業種にもよりますが、管理職の経験がありスキルを持っている40代なら、今よりも良い条件の企業に正社員として転職することが可能です。
一方、スキルなし経験なしの40代は転職できなくはありませんが、現実は厳しく「みじめな思いをした」「転職せずにいた方が、給与が良かった」「体力的に厳しくなった」という声が聞かれます。
転職するスキルがない、住宅ローンの関係で住まいを変えられないから転職先が見つからないと考えておられるのなら、転職よりも起業された方がよいのかもしれません。
40代起業は成功しやすい
20代や30代と比べ40代の起業は遅いと言われることもありますが、成功しやすいともいわれています。
成功しやすい理由として次のことがあげられます。
- 現実的である
- 社会一般の常識やルールを身に着けている
- リスクの高い業種での起業をあまりしない
- スキルや人脈が活かせる
- 20代や30代よりも信頼感を得られやすい
実際に日本政策金融公庫が実施した「2020年度新規開業実体調査」でも新規開業した年代別の割合は40歳代が38.1%と最も高い結果でした。また、起業される女性が増えている結果も出ています。
40代の独立開業を現実的にするには
まずは、副業で始めることが大切です。副業であれば多少失敗したとしても主となる収入が確保されていますので、何とかなるケースが多いからです。また未経験の場合、収益化できるまでに時間がかかることが多いことからも、副業からスタートがベストといえます。
副業ではなく個人事業主や会社を設立して失敗してしまうと、収入が全くない状態になりますので、リスクが非常に高くなります。今お勤めの会社を退職して脱サラするのは、ハードルが非常に高い方法であることを認識しておきましょう。
リスクが高いと失敗したとき地獄に
20代の起業で多いのですが、リスクの高い業種に手を出して失敗してしまい、会社の清算が大変で地獄を見た悲惨な目にあったという方がいらっしゃいます。
成功したいのであれば、リスクの低く成功者が多い業種を選ぶことが大切です。
初期投資は可能な限りゼロに
初期投資は最低限にするのが鉄則です。
例えば、未経験から始められる結婚相談所や副業として人気のあるアフェリエイトなら、開業費用は数十万円程度で済みます。需要が高い運送業は高額になる車両代を除くと開業費用は数十万円まで抑えることができます。
また、失敗し撤退するときのことを考えると、初期投資が少ないほどダメージは少なくて済む面も忘れてはなりません。
さらに、日本政策金融公庫が実施した「2020年度新規開業実体調査」でも開業資金が500万円以下で開業された割合が最も多く、開業費用の平均値は989万円と調査開始以来、最も少ない結果となっているように、初期投資を抑えて開業する方が増えています。
何をする?未経験で起業するアイデアと職種
多くの方は、現在までの仕事の経験や技能を活かせる事業で起業しますが、経験のある業種の先行きが見えなかったり、起業するのに膨大な資金が必要になったりするなど、未経験の職種で起業しなければならないケースもあります。
「未経験から簡単に起業」「未経験でも年商○○円」というような安易な言葉に踊らされやすいので、十分な注意が必要です。
もともとファッションが好きな人がセレクトショップを起業するのと、ファッションに全く興味も関心もない人が同じセレクトショップを起業したとき、どちらが上手くいくかをイメージしてもらえるとわかりますが、同じ未経験でも成功できるかに差があるからです。
また、お客様から報酬をいただいて、サービスや商品を提供するのですから、報酬に見合うだけの結果を提供できるスキルやセンスがないと事業として成り立たないことも重要なポイントです。
以上のことを踏まえて、次の順番で起業する業種を探しましょう。
- 1.自分の好きなこと、興味を持てること、得意なことをまとめる
- 2.得意なことを活かせる業種を探す
- 3.候補に挙がった業種の中から、自分の好きなこと、興味を持てる業種に絞り込む
- 4.家族の理解を得る
- 5.勇気を出して副業として始めてみる
また、未経験で起業するには、スキルを身に着けられる職種や、起業サポートが受けられるものを選ぶことが大切です。
「なんとかなる」はNG、用意周到に
「なんとかなる」といって起業(副業)をすると、ほぼ間違いなく失敗します。
週末起業として土日だけ副業を始めるのか、平日も副業をするのか、営業活動はいつするのか、スケジュールをしっかりと計画するようにしましょう。
また、税金関係や契約関係も最低限の知識を仕入れておきましょう。間違ってしまうと、きつい追徴課税などが待っています。
まとめ
40代で転職するか、起業するか、迷っているのであれば、まずは副業として起業してみることをおすすめします。副業をしてみて向いていないと思ったら、別の副業に切り替えることもできますし、副業を辞めて転職することもできます。副業をしたまま転職するという新たな選択肢も生まれてきます。
思考停止に陥らず、様々な視点から検討してみるようにしましょう。